デジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか (平凡社新書) の感想

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参照データ

タイトルデジタルネイティブの時代 なぜメールをせずに「つぶやく」のか (平凡社新書)
発売日販売日未定
製作者木村 忠正
販売元平凡社
JANコード9784582856606
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » IT » 情報社会

購入者の感想

読んでよく理解できました。

デジタルネイティブ論というと、デジタルネットワーク機器・サービスを自由自在に使いこなし、前世代とは大きく異なったコミュニケーションスタイルを持つ世代として描かれることが多いと思います。本書に描かれる青少年たちも、プロフ、ケータイミニブログ、SNS、スカイプ、Youtubeなどを当たり前に使いこなしています。
ただ、本書は、そうした青少年たちを、前世代とは断絶した異なる世代と見るのではなく、日本社会のコミュニケーションスタイルと情報ネットワーク技術、そしてライフサイクルが相互規定する過程として分析しています。また、その調査手法は、定量的アンケート調査と定性的インタビュー調査を組み合わせたものです。
その結果として、筆者は、1980年前後生まれ以降を4つに区分する枠組みと提示し、日本社会のコミュニケーションスタイルとして4つの特性を抽出、論じています。さらに、音声通話、ケータイメール、ブログ、SNSなどが、その4つの特性により、若年層のコミュニケーション空間を形成し、変化していく過程を、定性調査の具体例だけでなく、対人距離感とメディア選択との関係をモデル化することで掘り下げていきます。
内容が豊富で、普段漠然と感じていることが言語化、データ化されていて面白く読むことができたのですが、とくに、日本社会では「不確実性回避傾向」が強く、インターネットの利用にも大きく影響しているという指摘に興味を持ちました。中国では、実際にネットでウィルスにかかったり、IDを盗まれたりと被害にあっているので、ネット利用にも警戒感が強いが、日本はそうした被害に実際に会ってないのに、警戒感が強い。こうした「困ったらどうしようと困る」傾向が、ネットの高い匿名性、ネットを介したネットワーク拡大への消極性とも結びついていると論じています。この社会心理的特徴は、TPPや年金改革など、入口で議論がまとまらず、それ以上先に進まない日本社会のあり方とも結びついているのかもしれないと感じました。

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