幽霊画と冥界 (別冊太陽 日本のこころ) の感想

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参照データ

タイトル幽霊画と冥界 (別冊太陽 日本のこころ)
発売日2018-07-26
販売元平凡社
JANコード9784582922646
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

実に夏向きの題材でした。見ているだけで怖くなります。よくこれだけの幽霊画を集めたものだという素朴な感想が口をついて出てきました。妖怪画や地獄図などもあります。

幽霊画とは、本書の監修者の美術史家・安村敏信さんは「狭義の幽霊画とは、幽霊そのものを独立した画題として描いたものとする。広義の幽霊画とは、演劇や歴史上の場面に幽霊が出没したところを描いたもの。」と定義していました。(12p)
本書では、狭義の幽霊画を扱うとのこと。
また、美術史研究では幽霊・妖怪画の研究が立ち遅れているとも書かれていました。そういう意味でも本ムックの価値は高いと思っています。

21p、27p、28pには円山応挙、24pには河鍋暁斎、59pには月岡芳年の幽霊画が掲載されていました。個性も作風も違いますが、怖さは如実に伝わってきます。114pには円山応挙の「波上白骨座禅図」と骸骨が波の上で座禅を組んでいるという実にシュールな作品とも対面しました。名もなき絵師の幽霊画も沢山掲載されており、これだけの数の絵を集める努力だけでも脱帽します。なにより全てに詳しい解説が付されていますので、門外漢も簡単に分かるような配慮がしてありました。

そして本書の表紙に登場している伊藤晴雨の「怪談乳房榎図(34p見開き)」が登場します。
明治から昭和にかけての画家でした。52p以降には伊藤晴雨肉筆幽霊画が10ページにわたって紹介されています。いずれも全生庵所蔵の「柳家小さんコレクション」とのことでした。貴重です。怖いですが。

「別冊太陽 日本のこころ 219」として『妖怪図譜 江戸の化物大集合』を読んだ時の記憶が蘇ってきました。監修者は本ムックと同様、美術史家・安村敏信さんで、平凡社の編集者の能力の高さと企画力にあらためて感心しました。

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