三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | 三国志―演義から正史、そして史実へ (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 渡邉 義浩 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121020994 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 古典 » 中国の古典 |
購入者の感想
本のタイトル通り、三国志演義が成立した時代から陳寿の三国志が書かれた時代へ遡るという形式で書かれているのが本書の一番の特徴です。
演義を始点に置いていることもあり、一般的な「正史」や「史実」に関する本では語られにくい、「三国志演義が成立するまでの時代」の政治や宗教、思想、文化といった事柄に重点的に触れています。正史を主軸においた本では後漢や春秋戦国時代などに遡りがちですが、この本は各章が演義→正史という順で展開するため、書かれる時代は明・元〜魏晋・後漢末の辺りが中心です。
人物については、毛宗崗本「三国志演義」に置いて「三絶」と称される曹操、関羽、諸葛亮について独立の章を設けて、作品中で特別なキャラクター付けがされた要因を時代を切り取りながら説明しています。
本書のページ数が200程度ということもあり、あくまで上に挙げた「三絶」の比重が大きく、それ以外の人物については作者が他書でも用いる「名士」というキーワードを中心にして比較的コンパクトにまとめられている印象です。董卓、二袁や、周瑜、魯粛の人物像、孫家と呉の四姓についてなどは、個人的に好きな内容ということもあり、倍ぐらいのページ数で書いて欲しいと感じました。
いわゆる「三国時代」の史実に触れると共に、三国志演義(特に毛宗崗本)が完成するに至るまでの歴史に触れることが出来る本だと思います。文章も平易で容量も手頃なので正史に詳しくない人にも読みやすいと思います。演義も正史も好きという人が読めばさらに楽しめる本だと思います。
演義を始点に置いていることもあり、一般的な「正史」や「史実」に関する本では語られにくい、「三国志演義が成立するまでの時代」の政治や宗教、思想、文化といった事柄に重点的に触れています。正史を主軸においた本では後漢や春秋戦国時代などに遡りがちですが、この本は各章が演義→正史という順で展開するため、書かれる時代は明・元〜魏晋・後漢末の辺りが中心です。
人物については、毛宗崗本「三国志演義」に置いて「三絶」と称される曹操、関羽、諸葛亮について独立の章を設けて、作品中で特別なキャラクター付けがされた要因を時代を切り取りながら説明しています。
本書のページ数が200程度ということもあり、あくまで上に挙げた「三絶」の比重が大きく、それ以外の人物については作者が他書でも用いる「名士」というキーワードを中心にして比較的コンパクトにまとめられている印象です。董卓、二袁や、周瑜、魯粛の人物像、孫家と呉の四姓についてなどは、個人的に好きな内容ということもあり、倍ぐらいのページ数で書いて欲しいと感じました。
いわゆる「三国時代」の史実に触れると共に、三国志演義(特に毛宗崗本)が完成するに至るまでの歴史に触れることが出来る本だと思います。文章も平易で容量も手頃なので正史に詳しくない人にも読みやすいと思います。演義も正史も好きという人が読めばさらに楽しめる本だと思います。