島原の乱とキリシタン (敗者の日本史) の感想

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参照データ

タイトル島原の乱とキリシタン (敗者の日本史)
発売日2014-08-18
製作者五野井 隆史
販売元吉川弘文館
JANコード9784642064606
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

 歴史は勝者のものだといわれますが、このシリーズは,その敗者に焦点を当てたという点で異色。この巻では,そのうち破れて虐殺された島原の乱の蜂起者を取り上げています。
 島原の乱について調べると,必ず突き当たるのが資料の偏り。幕府側の資料は文献,絵図とも豊富でその動向がよくわかるのに対し,一揆軍の資料はごくわずか、また乱に至った経緯を一番知るはずの松倉家、寺沢家はそれぞれ改易,断絶により資料は霧散。けれども、近年になって,一揆軍の矢文など,少しずつわかってきた資料もあります。
 本書は,そのような最新の資料に基づき、乱の経緯を時系列的に紹介しています。また、従来触れられるだけだった一揆軍の外国からの支援の可能性についても検討しています。ただ、そこの整理に精力を遣い過ぎたのか,乱の真因を探るところにまではあまり至っていません。そこがちょっと寂しい。でも、天草四郎を担いだ幹部層は計画的に一揆を起こしたというより,暴動に合わせて急遽蜂起したという感が強い。その意味では,真の原因なんてわからないのかもしれません。

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