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強くなりたい。

名無しの烏 #3 - 14.09.04 23:59
初ssですね、よろしくおねがいします。自己解釈や読みにくい表現などがあります。
気楽に読んで頂ければ嬉しいです。

レスポンス


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:52
どうも、ありがとうございました。


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:51
美鈴は緑の妖精を門にもたれかかるように座らせる。

『いいですか?私は自分の気を操り、身体能力を格段に上げて強くなります。』

『しかし、気というのは空気も水も、あなたもあなたの友人も持っているものなのですよ。』

『それではなぜ、あなた達はそれに気付けないか、それは気というのは所有者に合わせて、その形を変えるからなんです。』

『空気には全てを調和し、
あらゆるものを包み込む気。』

『水には全てを映し出し、
あらゆるものを受け入れる気。』

『それではあなたの持つ気とは何か、それは...、』

『友を愛し、共に生きていこうとする気です。』

『それは力です。
友に救われ、友を救い、共に生きる、それ即ち力であると私は思いますね。』

『だから...、そんなに慌てて強くなろうとなんてしなくていいんですよ。』

『あなたには...ほら。』

美鈴は空の一点を目指し、指差す。
緑の妖精はそれに釣られて不意に美鈴が指さした方向を視界に入れる。

『大ちゃーん!!!ごめーん!!!さっきはあんなこと言っちゃってごめーん!!!』

緑の妖精の瞳に再度、涙が流れ落ちる。しかし、それは悲しみの涙ではなく、希望の涙。

涙が反射する太陽光は二人の明るい未来を示唆し、また緑の妖精の心を表現していた。

『だ、大ちゃん!?どうしたのそのたんこぶ!?』



『もう...、大丈夫だよチルノちゃん...。私...、強くなれたから...。』



~fin~


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:41
痛い、そんな感覚が緑の妖精の脳内で暴れ回り、彼女を悶えさせる。

『だ、大丈夫ですか?』

美鈴はそんな緑の妖精を心配そうに見つめ、手を差し延べる。

しかし、彼女はまだ勝負を諦めてはいなかった。

『っ!?』

突如、土埃が巨大な一発の光弾により蹴散らされ、美鈴の目の前にまで迫る。

緑の妖精は頭突きで突進する前に巨大な光弾を一発だけ形成し、土埃の外で待機させておいたのだ。

もはや、美鈴と巨大な光弾の間合いには正拳を伸ばす余裕すらなく、被弾は確実かと思われた。

『...

『...で~こぴん♪』

美鈴は正拳を放てないと悟ると、次いでデコピンを光弾に放つ。
光弾は儚く空へと弾かれ、二人の目に届かない程まで吹き飛ばされる。

『本当、今日はどうしたんでs...えっ!?』

美鈴は驚く。
無理もない、何故なら緑の妖精の小さな瞳から大きな涙がこぼれ落ち、緑の妖精は嗚咽を漏らす。

『え、いや、ちょ!どこか怪我しましたか!?さっきの頭突きでどこか切りましたか!?』

違う、...そうではない。
緑の妖精は美鈴に告げる。

友人に貧弱と言われたこと。
いつも友人に守られてばかりだと気付いたこと。

美鈴を倒せば、友人に貧弱ではないと認めさせれると思ったこと。

今度は友人を守ってあげれるようになりたいと思ったこと。

緑の妖精は涙や鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながらも美鈴に懇願する。

教えてください、どうすれば強くなれるんですか。
どうすれば、あなたみたいな強さを得られるんですか。

『...。』


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:29
緑の妖精はギィっと歯ぎしりをし、再び先程同じような光弾を形成し、再び美鈴に放つ。

『あら?今日は私と遊びに来たのですか?』

美鈴は再び正拳突きの構えをとり、鎌鼬を起こそうとするが、

『ッ...!?』

緑の妖精が放った光弾達は美鈴に撃墜されるより先に爆発し、土埃を紅魔館の門前に撒き散らす。

土埃は美鈴の視界を奪い、一寸先も満足に見られることもできなかった。

そして、美鈴の視界に影のようなものが映った瞬間、緑の妖精が頭から美鈴に向けて突進してきたのである。

『おっと。』

しかし、美鈴はそんな緑の妖精の突進を軽々と体を捻り、避ける。
ゴンっと鈍い音が紅魔館の門前に響く。緑の妖精は美鈴に突進を躱されたせいで頭が思い切り門に激突する。


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:22
目も眩むような多彩な光弾を緑の妖精は周りに目一杯大量に形成し、一斉に美鈴に放った。

『ん...?』

美鈴は大気の振動を敏感に感じ、光弾に気付く。
しかし、美鈴は大量に迫り来る光弾にも慌てることなく...、

『えい。』

それは一瞬の出来事であった。
美鈴が軽く拳を突き出し、空を切ると、瞬く間に鎌鼬のようなものが発生し、緑の妖精の放った光弾全てを撃墜する。

緑の妖精は少なからず驚いた。
先ほどの光弾は己の全力の一撃であった。
しかし、美鈴はそんな一撃を正拳一発で全て撃墜したのである。

『あ、大妖精さんじゃありませんか。もしかして妹様と遊びにこられたのですか?』

美鈴は先程の光弾など、意にも介していないのか、明るい笑顔で緑の妖精に手を振る。

いつもの悪戯感覚でなら、このままこちらも笑顔で美鈴の下へ行き、美味しい紅茶を頂いたのであろう。

しかし、今は状況が違う。
なんとしてでも、美鈴を「倒さねば」ならなかったのだ。


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:15
あれから何分経ったであろうか、いや、もしかしたら何秒も経っていないのかもしれない。

それほど美鈴には隙が無かったのである。
緑の妖精の頬にタラリと汗が滴り落ちる。
その汗が頬を伝って地上へポツリと落ちた瞬間、

緑の妖精は動いた。


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:11
緑の妖精は無我夢中で空を駆け、ハッと我に返ったときには周りに友人も居らず、ただ紅い館、紅魔館が厳粛に視界に映っていた。

緑の妖精はそのまま視線を紅魔館の門へと落とす。
そこには紅魔館の門番役である、中華風の服を来た女性、紅美鈴が塀を背もたれに寄りかかり、紅魔館の警備をしていた。

緑の妖精は美鈴を上空からじぃっと見つめる。
美鈴はただ立っているようにも見えるが実際、どのような敵の襲撃にも備えられていて、隙がなかった。

緑の妖精の頭に1つ、たった1つ、ある考えが浮かび上がる。

それは現実味がなく、緑の妖精になしえるとは到底思えない考えであった。

しかし、緑の妖精はそんな不安を頭をブンブンと振ることで払いのけ、自分に大丈夫と言い聞かせる。

緑の妖精は再び、美鈴を見下ろし、隙が無いか観察する。


名無しの烏 #3 - 14.09.05 00:04
『大ちゃんってさ貧弱だよね。』

霧の湖に響くのは蒼の妖精チルノの無邪気な一言。

彼女には文字通り悪気はなく、ただただ思ったことを友人に伝えただけだった。

しかし、彼女の友人である緑の妖精の心にモヤを作るには充分すぎるほどであった。

『でもまあ、安心してよ!大ちゃんはあたいが守るk...ってちょ!大ちゃん!?』

青の妖精が言葉の尾を見せるより先に緑の妖精は何も言わずその場から離れ、飛んでいってしまう。

『大...ちゃん...。』

残された青の妖精は何が起きたか分からず、ただぼぉっと友人の背中を見つめ続けることしかできなかった。


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