マミ(NPC)さやか(NPC)杏子(NPC)を助けようとする話

ほむらが時間を繰り返す中で「もしも鹿目まどかも前回の記憶を保持していたら？」という内容です。

まどがは事情を知っているが、
しかし同様に前回の記憶を持つキュゥべえがいるため単純に前回より有利とはなりません。


そもそも、
個人ではなく二人の考えによって行動計画を立てられることは必ずしもメリットだとは限りません。

二人の意見が一致しないかもしれない。
上手くいくかもしれない。
違う行動はどんな結果や新しいトラブルを生み出すのか？
……そこに期待をしながら読んでいたのですが、
どうにも原作の展開から外れないようにしたいのだと感じる展開が目立ちました。

二人は最初に「前回と同じ行動することで未来を変えず、
ピンポイントに悲劇だけを回避しよう」と基本方針を固めます。

しかしその方針はキュゥべえが居る場所で決めたものでありながら、
なぜか二人は計画を変更しません。
そのせいで大失敗もする。

今回のコミックスにはお菓子の魔女との戦闘が収録されていますが、
ほむら達はマミとの関係を改善せず(！)に進行しようとします。

まるでゲームのように前回の再現だけを期待して行動するのは、
他の人物をNPC扱いしているようで不愉快でした。

トラブルの原因を根本から排除しない方針については、
場当たり的な行動を見せられていく内にうんざりします。

何の布石も打たずに、
直前の選択肢を変えるだけで安全なルートに行けると信じきっている。
とてもキュゥべえに都合の良い展開です。

インキュベーターが協力してくれるわけがない、
とは暁美ほむらの言葉ですが、
実際にはまどか以上に信頼しているようで……。

これだけ他人を信じやすいのなら、
巴マミや美樹さやかと良好な関係を築くのは難しくなかったのではないかと首をかしげました。


同じコマンドの入力で同一の結果を作ろうとするのは、
ループ物で頻出する繊細な問題です。

他人を装置と割り切るのか人間扱いをするのか。
同じ反応を不気味に思わず、
まどかは過去が再現される世界に耐えられるのか。

ほむらは慣れているとしても、
なんのケアも描かれていないのに戸惑わないで過ごす鹿目まどかの精神状態は理解に苦しみました。