盛沢山の内容の画集です

展示会に合わせて作られた画集で
主要な作品が掲載されており、
3つの評論と各種年表、
掲載されていないものも含めた写真付きの作品リスト、
と著者の活動の概要を知る事が出来ると思います。


私は最近、
日本の現代美術に興味を持ち、
著者の事を知り、
購入しましたが非常に満足度が高い本でした。


著者の活動は
平面、
立体、
パフォーマンスという表現
社会、
一般美術、
娯楽文化といった題材
と非常に幅が広いのが魅力的だと思いました。


衝撃的な内容で物議を引き起こしている作品も有る様ですがドロドロした感じや生々しさは薄く、
アイコンとして抑制のきいた使い方をしており見易い印象を受けました。

意外と社会的な毒が人の怒りの琴線に触れているのかな？と想像します。


インスパイアを受けた対象に対しても愛を感じられ、
個人的にはそこが心地良さに繋がりました。

著者の年代に近い人程、
懐かしい気持ちになれる作品も多いのではないかと思います。


非常に広く外界にアンテナを張っており、
客観的な視点を維持しているのが突き放す様な冷たさは無いというのが著者の作品の魅力だと思いました。


昨今、
大衆社会もエロ、
グロが駆逐されようとしておりナンセンスが昇華しコメディのような存在になろうとしている感じが有ります。

また人々に対する環境の変化の圧力も増している様な状況です。

社会とは利益の分配だけなのか？日本人が試される時代が到来したのかも知れません。

今後、
著者がどの様な作品を生みだしていくのか興味を持ちました。