巨匠の貫禄を感じさせる作品

　ジャズを知らない人でも絶対に知っているメロディ"Take Five"(1959年)で有名なDave Brubeckは、
クラシックのトレーニングを受けたジャズ・ピアニストで、
理知的で丁寧な音楽を作り続けた人です。


　このアルバムはピアノ・ソロによる静謐なクリスマス・アルバムです。
シンプルかつ綺麗・丁寧に有名なクリスマス・ソングのメロディを響かせている・・・と思いきや、
ぎょっとするようなオトが混ざってきたり、
コード進行が普通のアレンジと全然違ったり。
全体に相当に考え抜かれたヴォイシングが施されており、
思わず耳をそばだてて聴き入ってしまいました。


　BGMとして聴いても十分にいいんでしょうが、
それだけでは勿体ないような、
巨匠の貫禄を感じさせる素晴らしいピアノ・アルバムです。
これには参りました。


　ちなみに巨匠は1920年生まれ、
なんと89歳でまだ存命中です。