犯罪が蝕むもの

感謝祭の日幼い少女二人が失踪した。

容疑者だった男は釈放され、
手掛かりのないまま時間だけが過ぎて行く。

そんな中娘を探し出す為に父親が起こした行動とは 。

「どんな事態にも備えておく」 が持論の用心深く , 信心深い父親が守備から攻撃に転じる。

一線を越えてしまうのか ?

心は娘への思いと犯人への憎悪で埋め尽くされて行く。

良心の呵責に苛まれながらも、
娘のために手段を選ばない覚悟を決める。

古き良き時代の父親像、
善良でどこか頑固な男ケラーをヒュー・ジャックマンが好演。


周りは深い森に囲まれた片田舎の町が舞台。

厚い雲が垂れ込める日々。

物語の中に日の射すシーンがなかったことが、
一層息苦しさを感じさせる。

娘を奪われる残酷さと凍りつくような恐怖が、
舞い落ちる雪と重なる。


事件を担当するロキ刑事を演じたのは、
ジェイク・ギレンホール。

第一印象は『やる気はあるのだろうか』
これはきっと劇中のケラーと同じ思いだったかも知れない。

でもそれは徐々に無骨だけど実直な性格と堅実な捜査、
そんな印象に変わって行く。


見終って一番残念だったのは、
犯人の動機付けに真実味や狂気が感じられなかったこと。

この迫力不足が何とも勿体ない。