料理に関する思考が広がる

印象に残る本との出会いは、
それこそご縁であり、
人生のある時点での心の状態や興味の有りように、
鍵が鍵穴にぴったり入るような、
そして心や思考の扉が開かれるような感覚を覚える瞬間を齎してくれる。
　Ｃｏｏｋｅｄ　はそのような瞬間を齎してくれた。
　還暦を少し過ぎ、
男ながら料理を週末にチャレンジしだして半年、
ふと新聞の書評欄で目に入った。
　日本語の本は高いので、
原書のペーパーバックを読む事にした。
　

構成は、
火の料理ＢＢＱ，水の料理煮込み料理というか、
男の私には色々変身可能な野菜スープの基礎、
空気としてパン、
そして発酵のサワークラウト。
　ＢＢＱは河原でフランクフルトを焼き、
焼きそばを作る等と思っては大間違い。
　厳選した豚一頭をじっくり火加減に注意しながら丸焼きにするものだと教えられる。
　しかも、
その行為こそ、
人間が生命を犠牲にして生きることの現実を直視し、
神への感謝を感じるべき時なのだとも。
　料理をしながら、
哲学的な思考をし、
玉ねぎを刻みながら禅の修行にもなることを学び、
最後は自分でキムチをつくろうか、
蜂蜜酒を作ろうか等とワクワクさせてくれる。
　

英語はビジネス書に特化した単語能力では知らない単語が多く、
これはkindle で読むべき原書かなとも思った。
　いずれにせよ、
厨房好きの男性にお薦めの一書。