アニメの最高傑作

この作品の衝撃は、
放映から2年経った今でも収まっていない。
それほどの傑作であり、
遂に『エヴァ』を超えるアニメが生まれたのだという感慨をも与えてくれる。
特に、
この第7話と第8話は中身が濃い。
杏子の父親がどれほど人々の幸福を願っていたか、
そして杏子がどれほど父親の幸福を願っていたかを思うとたまらなくなる。
それから第7話のさやかの号泣、
第8話のほむらの号泣も実に悲しい、
胸に突き刺さるシーンだ。
その3人にまどか、
マミを含めた5人の魔法少女たちは、
なぜこれほどにも不幸になってしまったのか？彼女たちに責任がないことは明らかである。
その原因は、
魔法少女システムにある。
インキュベーターが地球に来てしまったのが膨大な不幸の始まりだった。
「だけど、
僕たちがいなかったら人類は今も洞穴に住んでいた」とキュウべえは言う。
しかし、
人類はその方が幸せだったのではないか？ルソーの『人間不平等起源論』は完全に、
人類は原始時代の方が幸せだったと述べている。


それにしても、
第8話でさやかが雨の中でまどかに語る台詞、
そして最後に杏子に語る台詞は心をえぐられるような鋭い迫力がある。
虚淵玄による脚本は言葉の一つ一つがよく練られており、
繰り返し思い出したくなるものが多い。
これほどの娯楽性と衝撃を兼ね備えたアニメがあるだろうか？この作品は、
アニメというものを3段階ほど引き上げたと言ってもいいのではないだろうか。