大泉さん頑張りました

柴咲コウが黒髪ストレートの髪型で一番いい感じの彼女のキャラになっているのがまずプラスポイント。

そして大泉さん。
頑張りましたね。
あのマジックのたどたどしい程度の腕前は、
売れないマジシャンの感じが非常によく出てて、

秀逸だと思います。

コインロールも適度にぎこちなく、
バニッシュのムーブメントもぎこちなく、
映画の中で種明かしはしないにもかかわらず
ちゃんと本当のマジックをやってるとこが、
劇団ひとりのこだわりだったのかもしれませんが、
好感が持てます。

惜しいのは、
マジックにそこまでのこだわりがあったのに、
街並みがあの年代設定よりはずいぶん古い感じで
そっちの考証が足りなかったのと、
スプーン曲げとフローティングローズにちょっと現実にはありえない現象が描写されたこと
（フローティングローズの最中に大泉さんが身体を一回転させますが、
完全に後見人まかせのタネだったのかな？
だとしたら誰が後見人？）の２点だけは気になりました。

しかしよい点として、
映画ファンの劇団ひとりは、
職業監督のように２時間とか２時間超えを馬鹿正直にやるのではなくて、

適度に縮めてテンポよく見せることを優先させており、
これは観客としての声を反映させた作りで喜ばしいと思いました。

バックトゥザフューチャーの日本版としては、
恥ずかしいぐらい本家の真似ごとに終始した「バブルへＧＯ」とは違い、

三人の登場人物を丁寧に描き日本映画の得意とするお涙頂戴に集約させたことは、
よい思い切りのよさだったと思います。

よくこの物語を感動的な映画に仕上げた。
優れた演出力に感嘆です。