動物自体が神、神そのもの（化身）、神に従属する神の使いに分かれる

４７種類の動物神とまつられた神社について、
まつられた事情を紹介した本。
動物と人間の関係を「効用と恩恵」の側面で解説している。
憑き物や禁忌など「脅威」の側面は、
重要な要因になっている場合だけ触れている。


たとえば、
キツネであれば、
穀物を食い荒らすネズミを捕って食べる、
鳴き声や行動で豊穣の吉凶を判断する習慣があるなど、
人間の生活や山神との結びつきから、
食べものをつかさどる稲荷神の神徳と結びついたという話。


そのネズミについては、
昔から、
夜の闇や地下は、
人間の住む世界とは別の世界（あの世）と考えられ、
夜になると現われるネズミには、
異界とこの世を行き来する霊的能力を感じたという。


人間と動物の関係を説明したあとに、
そんな神様に出会える神社を観光案内風に紹介している。
七福神や干支など神様にまつわるコラムもある。


「神様になった」とタイトルだが、
動物自体が神、
神そのもの（化身）、
神に従属する神の使い「神使（しんり）」と立場は異なる。
また、
４７種類は、
陸、
空、
海、
架空と幅広い。


動物たちは、
昔も今も、
いつもそばにいて、
人間を見守り、
時には救ってくれる神様だと気づかされる本だと思う。