目次と巻末のチェックシートで事足りる浅さ

目次には多数の具体的な方法論が羅列されていて期待が高まる。

ところが、
一つ一つの内容の掘り下げ方が浅く、
説得力がない。

イージーに書かれた自己啓発本にありがちなパターンですね。
目次ピーク。

勉強に関して、
「こういうやり方もいいかも」程度のメッセージの連続。

すべての論拠を「東大・ハーバード教育大学院受験での成功体験」に求め、
よりかかっていることがこの浅さの原因であろう。
「思いつき」レベルの提案がまかり通っている状態で、
発想は素人のそれである。

それぞれの項目は筆者の経験から導かれた方法論かもしれないが、
金を払ってまで手に入れるべき情報はない。

受験勉強や英語学習の経験者として「こういうやり方があるよ」というスタンスで書いているが、

一時的でも真剣に学習した経験のある人間なら本書程度の内容の勉強本は誰でも書ける。

まず、
自身の経験から方法論を導くのであらば、
実践の経過や成果、
運用していく中で生じた問題点など、
生々しく血の通った情報をきちんと提示して欲しかった。
方法論は試行錯誤に裏打ちされたものであるべきだ。

本書のように、
方法とそのメリットだけを具体的な根拠の乏しい半ば思い込み同然の文章で網羅されると、
押し付けがましさすら感じてしまう。

受験本にも、
語学本にも、
自己啓発本にもなりきれない中途半端な位置づけの一冊である。

本文中にあるように、
これが空路移動中のスキマ時間に書かれていることも浅さの一因だろうか。