名香の再現レシピを含む45種類の「美しい香り」の作り方

アロマテラピーのブレンドを勉強していて手に取った。
著者はフランスで学んだプロの調香師。

類書ともっとも異なるのは、
アロマの機能は横に置いといて、
ひたすらアートとしての「美しい香り」を追及している点だ。

したがって、
お肌によいとか、
よく眠れるように、
といった機能性のレシピは一切なく、
すべて香水用のレシピである。


紹介されているレシピは、
香りのタイプ別が12種類、
パーソナリティタイプ別が12種類、
名香といわれる香水を精油のみで再現した作例が20種、
さらにレッスンの仕上げとして著者自身の調香プロセスを開示したスペシャルレシピが１種、
計45種類である。


一読して驚くのはそのレベルの高さ。
ブレンドの体系、
技術、
ノウハウは、
アロマテラピーの世界と比べると、
あたりまえだが大人と幼児くらいの差がある。
これまでアロマのレシピをいろいろと集めて勉強していたが、
基幹にあるセオリーというかテクニックがはっきりしておらず、
どれもこれも似たような組み合わせで、
やや行き詰っていた。
それで「調香」に手を伸ばしてみたが、
正解だったと思う。


ひとまず、
レシピを全部、
一覧表に起こしてみた。

タイプ別24種のなかではパチュリの使用回数が8回で最も多い。
ベースノートはアロマではサンダルウッド、
フランキンセンスの利用頻度が多いが、
ここではパチュリ、
ベチバー、
シダーウッドが多くつかわれているのが特徴的。
また、
バニラなど2,3パーセント程度の微量な処方も多く、
極めて微妙なアクセントの付け方をしているのがわかる。


45種すべてを製作するのに必要な精油は44種類だが、
香りのタイプ別12種類だけなら16種あれば作れる。
ローズ、
ジャスミンは仕方ないとして、
あとは普通の安価な精油だけで作製できるので、
しばらくはこれを教科書として、
ともかく全部作ってみることにする。
良い本が見つかってよかった。