市場経済学の「うさん臭さ」の正体がよく分かる本
経済学を学び始めたとき、
その理論的な「スマートさ」、
言い換えると「思い切りの良さ」に感心すると同時に、
その味もそっけもない結論に「違和感」や「うさん臭さ」を持った記憶がある。
本書は、
この「うさん臭さ」の正体が経済学の根本的な仮定に由来し、
しかも多くの教科書ではそのことを隠蔽していることを明らかにしている。
本書によれば、
市場経済学の根本的な仮定である「最適化原理」、
「均衡原理」、
および「解の探索可能性」がいずれも物理法則に反しており、
したがって、
市場経済学から導かれた結論は荒唐無稽とならざるを得ない。
資本主義の「国家宗教」ともいうべき市場経済学の神殿に安置されていたのは、
ハリボテだった、
という訳である。


さらに著者は、
市場経済学の「信仰」ともいうべき「自由」の実態は「選択の自由」であることに説き進む。
しかしこの「選択の自由」というのが、
これまた実行不可能な「自由」であり、
現実に起こりうるのは、
限られた選択肢への盲目的な服従であることを暴き出す。
この「選択の自由」こそが資本主義社会に生きる多くの人々を呪縛している「神話」であり、
現在の閉塞状況の根本原因でもある。
この「自由の牢獄」から脱出するには、
私たちひとりひとりの内面に立ち戻り、
自らの身体の持つ「創発」する力を信じる必要がある。


著者は、
現在のミクロ経済学やマクロ経済学は、
人や社会、
あるいは環境に死をもたらす「ネクロ経済学」である、
と断罪する。
「ネクロ経済学」の蔓延が、
利己心や虚栄心に満ちた人々を生み出し、
無用な競争社会を生み出し、
社会からの落伍者や、
最悪の場合は自殺者まで生み出すに至る。


著者は、
本書の最後で、
「ネクロ経済学」からの脱出のヒントを提供している。
それは、
自分自身を取り戻し、
生命を肯定し、
自らの生きるダイナミクスを肯定していくことである。
こうして、
本書は、
単なる経済学批判を越えて、
人や社会のあり方また変革する道筋を提示する。
経済学を学び始め、
社会の荒波を前に立ちすくみそうな学生の皆さんや、
社会人になり、
息苦しい閉塞感の正体が分からず悩んでいる人たちに特にお奨めしたい本である。
生きるための経済学―“選択の自由”からの脱却 (NHKブックス)

その他の感想

神社神道を知れば偽物(スピリチュアル)に騙されない!
もっとも使いやすかったのですが
オオカミと農民との交流の歴史が郷愁を誘う
食後のお口直しに。
こころ
働くって凄いこと
やや硬めです。
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コレを買わないと・・・。
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飽きませんね
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私にはとても読みやすく感じました。
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