この作品に携わった全ての人々に感謝を

「全7部作劇場アニメ化」という前代未聞の企画から始まった劇場版「空の境界」シリーズの最後を飾るに相応しい傑作でした。

以前の劇場版とは打って変わった明るい雰囲気を持つ今作ですが作画の美麗さに更に磨きがかかっており、
梶浦由記とkalafinaの新曲「アレルヤ」とのハマり具合も素晴らしいものがあります。

extra chorusは武内崇の漫画が原作ということもあり彼の絵にかなり近づけた絵柄で作画が描かれていて、
シリアス展開が多かった本編に不足していたコメディ要素も多く含まれており、
３章「痛覚残留」で悲惨な目にあった浅上藤乃のその後にもスポットが当てられているので痛覚残留のラストに不満が残った人は必見です。

本編：未来福音は1998年の夏、
2010年の夏、
1996年の冬から構成されていて時系列が目まぐるしく変わるなど新規の方にはやや見づらい構成ですが本編を楽しめた人にとっては問題は無いと思います。

原作小説においてある場面で唯一使用される直死の魔眼が映像ではどのように表現されるのか気になっていましたがそれも斬新な映像表現で描写されていて満足がいくものとなっていました。

また2010年夏から1996年冬までの展開は「空の境界」をよく理解している人にとって感動すること間違いなしのものです。

このように全７章の劇場版と終章を全て視聴していることが前提の「未来福音」ですがそれに見合うだけの価値があるアニメ映画だと感じました。