さらりと

中学生の娘と母親のちょっとスリルな物語。


当たり前に実在しそうな、
あるいは実在する日常に、
作者なりの哲学をきちんと織り込んだ作品。


結婚前にホテルで募集した、
結婚写真。
結婚前にウェディングドレスを着ると嫁に行き遅れる、
という俗諺を土台に、
結婚とは？を問い質してみた作者。
好きな人の子供を産む、
産めない。
結婚より、
しばらくは母娘の関係を楽しんで生きてみたいと思い始めた娘。


前半の娘がいじめに遭う部分、
妙にリアルで懐かしい。
苛めるほうの人たちが別世界の異邦人で、
気にならないところが自分と重なる。


苦労人と見える作者の、
気負いのない作品。


作者自身が自分の結婚をどう考えているのか、
本音を聞いて見たくなるような、
ちょっと良い作品です。