生きた教則本

最近のDTMユーザーは作曲にばかりこだわってミックスはよくわからないっといた人が多いのではないかと思っている。

この本はそんな人のためのミックス入門書だ。

この本に書いている通りにやれば、
細かいミックスでなくとも、
市販のCDと聴きばえなく自分のオリジナル曲がいとも簡単に音圧アップしてしまうのだ。
しかもその過程が中々楽しい。

教材としてDVD-ROMがついているのだが、
この曲が最近よくあるアニソンのようなキャッチーな楽曲で、
読者を飽きさせない。

しかもミックスの教材用の曲なので、
ほぼ全ての楽器のトラックがバラで用意されているため、
個々の楽器のフレージングなど、
アレンジの勉強にも役立つ。

この時点で相当買って損はないが、
極めつけがやはり教則本自体の本文、
構成である。

私のように音楽に携わる方達は文を読むことが苦手っという人も多いだろう。

この本では2色刷りでたくさんの図があって、
よくあるPCのスクリーンショットを貼付けたような画像がたくさんある教則本より分かりやすい。
そこから何のDAWソフトでもプラグインでも扱えることが伺える。

そして、
本文がまるで著者が目の前で教えてくれているかのような、
息づかいさえも聴こえてくるような文なのだ。

コラムのページではコンプを田舎のヤンキー中学校に例えた話には笑わせてもらった。

まさしく生きた教則本である。