唐といえば詩

『唐詩選〈中〉』です。

五言排律４０、
七言律詩７３、
五言絶句７４首が収録されています。
全４６５首中の４割が含まれていることになります。
科挙で出題されるため盛んに作られた五言排律があるのがポイントでしょうか。

唐詩選自体、
歴史的に色々批判する向きもあるようですが、
唐代の色々な詩人の詩を味わうということでは、
現代人の一般読者が文句をつけるところはありません。

どちらかというと、
李白杜甫を含めた李杜以前の詩人の作品が多く入っている印象です。

李白、
杜甫、
王維などの作品が多いのは当然として、
沈セン期、
岑参、
李キあたりの作品が収録多めのようです。

有名な詩でいえば、
孟浩然の春暁、
駱賓王の易水送別、
王維の鹿柴、
崔コウの黄鶴楼、
李白の秋浦歌、
静夜思あたりが入っています。


一つの詩ごとに。
難しい漢字の原文。
一行ごとにその下に簡単な漢字の書き下し文。

詩の後にまとめて詳細な注釈。
その後にかなりざっくりした口語訳。
という構成です。

注釈の中には、
上巻参照というのがあるのがちょっと面倒くさいです。

唐詩選三分冊の中では最も見所の多い巻かと思います。

★５