１つの形としての高い存在意義

デジタルカメラを選ぶ時に優先するスペックには、
人それぞれ色々あります。

イメージセンサーのサイズ、
Ｆ値、
焦点距離、
ズーム倍率、
画素数などなど。

本機は、
焦点距離 25〜600mm の 24 倍ズームで、
同じ焦点距離のレンズを一眼機で揃えようとするとかなり高価になります。

Ｆ値は全域 2.8 と明るく、
室内など光量が弱い場所での撮影や望遠端へズーミングした場合でも、
速いシャッタースピードが得られ、
動きが早い対象の撮影にも強いです。

Ｆ値が望遠端で 5.6 のレンズと比べると、
望遠端でのシャッタースピードは 1/4 の速さになりますので、
本機のズーム機能が最大限に発揮されます。

センサーは 1/2.3 型 MOS で、
焦点距離 600mm までカバーする本機をこのサイズに収めるには精一杯のセンサーサイズです。

もし、
焦点距離とＦ値を変えずにセンサーサイズを欲張って 1/1.7 型にすれば、
本機は一回り以上大きくなってしまいます。

1/2.3 型センサーの面積は、
フルサイズ（35mm フィルムの撮影面積）の 1/30、
1.0 型の 1/4 しかありませんので、
画質（１画素当たりの入射光量）のためにも画素数をこれ以上増やさないでおくべきでしょう。

全域 F2.8 の明るさと高倍率を両立させた本機は、
デジタルカメラの１つの形としての高い存在意義があります。