経営戦略論を俯瞰するには最良の一冊！

著者の本は初めて読むが、
諸説ある経営戦略論を非常にすっきりさせ体系的にまとめてあり感心しました。
木ではなく森をみて本質を理解するうえで、
大変役に立った。


よくこれだけコンパクトに整理できたと感心しましたが、
著者は経営戦略コンサルを３０年以上経験されている方。
さもありなん。


第2部の「現代の経営テーマ」の部分も説得力ある内容で、
感服しました。


全体を通じて、
そうか、
そうだったのか、
やっぱり、
という感じで最後まで楽しく読めました。
自分の頭の中に無秩序に入っていた戦略論が一気に整理されました。


同時期に出版された三谷宏治氏の「経営戦略全史」は読み物としては面白く人気があるようだが、
残念ながらまとめ方はこの本より数段劣る。


この種の本は、
面白ければ良い、
本がぶ厚ければ良いというものではない。
新書版という限られたページ数にエキスを凝縮させることがいかに難しいかは、
多少なりとも文章を書く仕事をやってきた者ならわかる。


初学者のみならず、
それなりに経営戦略論をやってきた経験者にも、
経営戦略論の本質を学ぶには、
ベストの本であると思います。


今後新しい戦略論が出てきても、
著者が示す体系のなかに正しく位置づけることができると思います。