「主に家族関係内で生じる従属と搾取の関係を描いた作品多し。」

　【カラー口絵】
　１．ひいなの埋葬：1頁。

　２．ひいなの埋葬：見開き2頁。

　３．死者の書：1頁。


　【掲載作】
　１．「鬼子母神（きしもじん）」ビッグゴールド(小学館)1999年7月号。
50頁。

　２．「グリーン・フーズ part 1」ASUKA(角川書店)1987年9月号。
32頁。

　３．「グリーン・フーズ part 2」ASUKA(角川書店)1987年11月号。
40頁。

　４．「かぼちゃの馬車」月刊セブンティーン(集英社)1974年11月号。
41頁。

　５．「緘黙の底（しじまのそこ）」YOUスペシャル(集英社)1992年No.1。
74頁。

　６．「副馬（そえうま）」グレープフルーツ(新書館)1983年10月号。
16頁。

　７．「死者の家」ASUKA(角川書店)1988年8月号。
40頁。

　８．｢ひいなの埋葬｣花とゆめ(白泉社)1976年6月号。
97頁。

　　初出一覧。

　・おまけ「描きおろしイラストカード」1,2,3,5,6,7の一言解説と本編とは関係ないがバレエ「くるみ割り人形」に関する1コマエッセイ・イラスト。


　奇しくも萩尾望都氏が家庭内の支配と搾取を扱った長編「残酷な神が支配する」連載開始と同時期に発表された５以外も一見平穏で有る時は華やかな家庭に潜む問題を山岸氏らしいクールで厳しい切り口で描いた短編が多く、
4，6を除き重い読後感を醸し出しています。

　山岸氏が早熟な少年少女の魔性を扱った恐ろしくも妖艶な短編（「星の素白き花束の(本セレクション5収録)」「狐女」「蛇比礼」）と読み比べてみると作者の考えの変遷を追う事が出来、
興味深いと思います。

　「狐女」「蛇比礼」2作が本選集から漏れた理由もその辺りに在るのかもしれません。


　(少し内容に触れています）

　・二卵性の双子の兄妹に夫とは疎遠となってしまった母親が己の願望を無意識に差別化して投影する様子を描いた１

　・有名兄妹デュオをヒントに子役と言う特異な立場が子供に与える屈託と若い女性が罹患しがちな精神的疾患を組み合わせた２，３．