いやあ相変わらず元気な人だなあ

　購入して直ちに読了
　年齢も年齢であり流石に目新しいことは言わないかと高をくくっていたが、
不安は無用だった（ただし、
奥山氏の番組などですでに紹介されていた部分はある）
　このような本全般に言えることだが、
ここが間違っている、
あの部分の分析が浅いと批評する前に、
まずは他人とは違う意見を聞けるかどうかが重要だろう。
その点でルトワック氏は単なる軍人上がりの脳筋野郎でも評論家畑でもない、
日本人ではなかなかいない経歴の持ち主で、
それだけで期待ができる。
まあ、
本格的な戦略論を学ぶことは日本ではごく最近のことに属するからこれからのことかもしれない
　彼の主張はいつも簡単明瞭で、
ごまかしの入る余地がない。
少子化対策のような、
ちょっとつかみどころのない問題でも具体的な解決策を用意して、
案外説得力もあることに感銘を受けた。
もちろんこれが日本で成果を上げうるか、
その前に実行できるかという話ではあるが
　その他もろもろ、
読んで損はない

　ただ、
このような書物に接していつも思うのは、
私のような底辺の人間に大きなものを動かす力などもてないだろうという圧倒的な無能感だ。
この本を読んで勇気づけられる人も多いだろうが、
私は逆である。
そしてごみのような知識人がこぞって愚民どもに政治を語らせるべきではないという論陣を張ることに、
絶望感を募らせる
　このあたりの感情を昇華する庶民的な戦略論が出てこないものかと期待するこのごろ