日本民俗学のお手本

若いころは過去との繋がりにさほど興味はなかったが、
近親者の死を数えるごとに、
普通の生活の背景に無数の先人たちとの繋がりが意識されるようになってくる。
日本人の自分はどんな精神なのか。
その「根」はどこに繋がっているのか。
それは「なぜ？」生まれ、
その実態は「何？」か。
明確な答えは掴み得ないけれど、
ぼんやりながら見えてくる姿がある。
たぶんその形は正しい。
世界の他にはない日本独自の精神性の「根」は、
多かれ少なかれ日本人の誰の心にも巣くっているはず。
正史では隠され抹殺され、
黙殺される重奏低音が、
本書からは聞こえてくる。
ぜひ多くの方々に通読してほしい。