センス抜群の「マルチジャンル」ポップ

ボストンを中心に活動する男女各2人の4ピースバンド。
2004年、
同じ音楽大学の仲間で結成された。
ジャズ、
R&B、
ソウル、
ガレージロック、
ビートルズなど幅広いジャンルやアーティストの影響をセンス良くブレンドした、
独特の「マルチジャンル」なスタイルで、
東海岸を中心に急速に注目を集めている。


本作は2010年に発表した3枚目（それまでは自主制作、
レーベル契約としては初）のアルバム。
メンバーそれぞれが作曲を手がけているが、
同じ指向性を持っているのだろう。
アップテンポの曲あり、
しっとりとしたバラードありとヴァラエティに富むが、
何の違和感もなく、
全編聴き通すことができる。
いずれの曲も完成度が高く、
スタンダードかと錯覚するほど。


演奏もハイレベル。
ソウルフルなヴォーカル、
力強いアップライトベース、
的確なリズムを刻むドラムにツボを心得たギターが小粋なプレイを展開する。
ときおり挿入されるトランペットがいい味を添えている。


CDジャケットのデザインも秀逸。
このグループの高いセンスとインディーズぽさを物語っている。
その後も相次いで良質なアルバムを発表し、
メジャーデビューも果たしているが、
まずはこの一枚。
後に名盤と呼ばれるようになるのではないかと思う。