内容に不満はないのだが、新録音ではない。

前作「Jasmine」から４年ぶりのキースとチャーリーのコンビの新作。
前作と同じく、
しっとりとした、
二人が静かに語りかけてくるような、
美しいスタンダード集である。


　ただ、
「前作と同じく」というところが若干不満。
というのも、
クレジットを見ると2007年の自宅録音、
そして曲目のうち二つはJasmine収録曲の別テイク（＃７，９）。
つまり新作ではなく、
Jasmine積み残しを4年も間を空けて発表した、
ということになる。


　まあこういう手法は別に珍しいことでないし、
Jasmimeも本作も二人の素晴らしい演奏を聴けるので特にけなす理由にもならないのだが、
「新作」と謳うのであればできれば新たに録音してほしかったところ。


　個人的にはトリオのライブで感動したという思い入れのある「Mｙ Ship」、
珍しいバド・パウエルのカバー「Dance Of The Infidels」がよかった。