日本の文化史、とりわけ平安文化への案内書

著者の古典に関する著作を読むと、
当時の様子がリアルな実感を持って見えてくる。

この著作も同じ。

学校では絶対に教えてくれないような、

でも、
まともな感覚を持っていれば当然疑問に思っているような事が見事に解説されている。

こういう著作を読んで、
もっと日常的な感覚で平安文学を読んだ方がよっぽど面白いのではなかろうか。

或いは、
学校で平安文学を読んでもよく分からないのは、
こういう肝心なことが伏せられたままだからかもしれない。

尤も、
こういうことを認識したら、
ちょっと百人一首なんかを中学で教えることは出来なくなるかも。


問題はこういう神経を持っている社会というのはどういう社会なのだろうか、
ということだが、

残念な事にその辺りはよく分からない。