外科の本質

出血のコントロールこそ、
外科の手技的な本質である。


たとえどの様な状況にあっても、
出血をコントロールすること。

眼に見えないところからの出血。
眼に見えないところには、
重要なものがある。
それら重要な組織を保存しながらも出血をコントロールさせる。

不意の出血の原因血管は、
当然未だ全周を剥離できていない部分からが多く上下に鉗子をかけるのも困難。
持針器を持つ側と反対側の指で出血部位を押さえながら、
針をかける必要がある場面もある。
血管鑷子を持てないから安定しづらいが、
困難な手術を経験していくと、
そのような場面も当然でる。
さらに重要血管は血行を潰さず温存しながら、
針をかけなければいけない。

時間が経つほどに出血は増える。
かならず止められる真の外科医が責任を持って手術をすることになる。
全ての外科医にとって血管に対するアプローチは、
極めて重要なのである。


止血は外科の手技的な本質であるが、
外科の精神的な本質はあくまでも、
限界を突破させなんとか患者を救う気持ちである。
この気持ち無くしては、
止血という手技的な基本も身につけるのが困難である。