地方再生(創生)に特効薬はない

稼ぐまちが地方を変える「利益無くして再生なし！」のフレーズにひかれ、
地域全体が稼げるまちに再生、
つまり、
自治体再生の本かと思って購入した。

ところが、
中身は稼げる「まち」(自治体)ではなく、
稼げる「まちづくり会社」の話、
企業経営のノウハウである。

地方創生への関心が高まった時流に乗ったタイトルをうまくつけた本である。

確かに、
稼げるまちづくり会社があった方がよいが、
それによって地域全体が稼げるようになる確率は低い。

49ページの『まちづくりに必要なのは、
「政治」ではなく、
「経営」である』を文字って言うと、
『まちづくりに必要なのは、
稼げる「まちづくり会社」がその地域にいくつあるのかではなく、
稼げるまちを志向する一つの「政治」である」。

地域それぞれの事情があることから、
稼げるまちへの処方箋は自治体の数だけある。

ただ、
補助金だよりでは、
自治体も再生できないことは確かで、
この鉄則はすべての団体に共通する重要な指摘である。

私にとっては、
本のタイトルと中身に大きな差がありすぎ、
評価できないところだが、
「補助金だより」を排する著者の考えが会社だけではなく、
自治体にも広がることを期待し、
評価を2とした。