真似出来ない興奮の異色社会派ドラマの大傑作

｢正義は金だ、
金持ってこい！｣
今でも初めて観た時の衝撃は忘れられない。

堺雅人、
新垣結衣、
生瀬勝久の突き抜けた演技力で屁理屈すら押し通す破廉恥さ、
司法の現実と限界を白日の下に晒す大胆なテーマ性に先ずは吃驚した。

更にコミカルを通り越して性格破綻寸前のキャラ設定、
様々な世相を滅多切る奇想天外なシナリオ、
関係者への事前合意すら疑わしいオマージュ全開の演出、
ハイテンポでテンション落差の激しい脚本、
そして社会に潜む本当の魔物の正体を視聴者に突き付ける見事なまでのストーリー。

それら全てを現代的クオリティーでハイ･バランスさせ得た社会派ドラマは古今東西他にない。
配役も脚本も完璧な、
本当に真似の出来ない驚愕のドラマなのだ。

特に堺雅人の演技は神憑りで、
公害集団訴訟での原告団の結束を図る古美門の超長尺セリフは今やドラマ史に残る伝説だ。
その古美門の個性に負けない新垣結衣のこれ迄の殻を破るキレた演技も必見モノ。

傍目には軽めに見せて、
内実はかなり硬派で噛み応えのある10-20年に一度の大傑作で、
自分の中では（最近35年間で）ドラマ十傑と評する作品。
シリーズ通して定期的に観たくなるので、
広告が入らずに集中出来るDVD-BOXは四人家族の当家には必須でした。