痛快な一冊
小保方嬢がSTAP細胞の発表をしてから今日に至るまで、
私は一度たりともその細胞の存在を疑ったことがないし、
彼女が研究過程で何らかの捏造をしたことがあるなどと思うことすらなかった。
この本はそのような確信を更に裏づけてくれたようなものだ。
人は目を見ればある程度の本質が見えてくるものだ。
彼女の目は輝いていた。
未来を見つめていた。
メディアに殺された笹井教授の目も光っていた。
あの二人は真実を語っていた。
一方、
若山照彦は嘘つきだ。
最初に反旗を翻しメディアに登場した時、
あの表情からコイツは野心家・お調子者・捏造者だと直感した。
彼は自分より遥かに若く経験の浅い小保方嬢を上手に騙して、
上司という立場を利用して彼女の手柄を一人占めしようとしたが、
彼女の見えない抵抗によってその野望をくじかれたが、
少しでも利権を得られるよう強引な戦略を立て、
キメラマウス作成実験には一切参加させず、
そこから先の部分の手柄を自分だけの業績にしようと企んだ。
それは彼女のSTAP細胞に関する影響力に占める割合、
特に将来の臨床実験に繋がる最終段階という世間が一番注目する部分での関与をゼロにして、
自分の名前だけをそこに残すためである。
実際、
キメラマウスでの実験はいくつか成功に繋がったものの、
あの写真の捏造が噂された途端、
手のひらを返したような態度を取った。
その裏には三つの理由がある。
①自分も捏造に関与していると疑われると科学者としての評価が一気に落ちるので一刻も早く彼女とはあらゆる点で縁を切る(白いシャツについたホンのチョットしたゴミやシミをまるで極端に忌まわしいものであるかのように感じ、
慌ててそれを落として身を繕い直そうという感覚)。
②近い将来自分の強力なライバルとなり得るどころか、
立場が逆転しかねない存在を今のうちに徹底的に叩き潰し、
二度と立ち上がれないようにすること。
③その間に自分でSTAP 細胞の仕組みを研究した上、
その作成方法を完全マスターし、
その後小保方嬢の真似をしたと思われないようなアプローチでSTAP細胞を作成出来る若山流を編み出すこと。
そして、
それを使ってキメラマウスでの実験も成功させて、
全てまるまま自分の研究結果として世界に発表すること。
従って彼は今でもシコシコと③の目標達成のため山籠りしているのだろう。


人間にはほぼ誰にも一生に一度は、
また
STAP細胞 事件の真相 (Parade books)

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