人事必読の1冊。

本書の著者は、
人事コンサルタントとして長年、
人事の分析に従事してきた方で、
本書は、
そうした経験と実績から生み出した各種分析の手法を余すところなく伝えている良書です。


多くの日本企業の人事を見てきた著者によると「現在の日本企業の人事管理レベルは、
危機感を覚えるほどの低いレベルと言って過言ではない」（p1）そうです。
人事に関する重要な指標を数値で答えられない人事部員は、
本書を読んで、
猛省する必要があると思います。


まず本書を手に取ったら「定量分析のオーバービュー」（p11）を見てください。
ここに載っている項目を、
現時点でどれぐらい理解しているか、
実践しているかで、
経営者であれば自社の分析力が、
人事であれば人事としての自分のレベルがわかるでしょう。


本書の内容は「人件費に関する分析」「人員数に関する分析」「人件費単価に関する分析」「人材流動性に関する分析」「将来予測分析」と5つの大項目に分けて、
各種分析手法を丁寧に教えてくれるものです。
この分けかたには、
レイヤ感やMECEといった側面から異なる意見もあるかとは思いますが、
入り口としては、
十分に優れていると思います。


読み物ではなく、
実務書なので、
人事データ分析に土地勘のない人にとっては読み込むのはそれなりに大変ではありますが、
とにかく「この分析は良さそうだ」と思えるものから、
自社に適応してみることをお勧めします。
経営者であれば、
自社の状態が把握できますし、
人事であれば、
一段上の仕事ができるようになるはずです。


人事であればもちろん、
経営企画系の方や、
戦略コンサルタントも読んでおいてよい1冊ではないでしょうか。