率直な反応こそが、もっとも大切なこと。

この本では全体的に規則やトレーニングは決して人の自由を縛るものではないと書かれております。


内容は古典的な技法だけではなく、
歴史的視点や黄金比を交えた美学からミケランジェロやラファエロ、
または現代の画家のドローイングもたくさん見れるのがこの本の良いところです。


個人的にはラトゥールの「自画像」をはじめて見たのですが、
タッチに勢いがあり、
個の精神性が感じられてよかった。


また色彩論とも通じる同時対比についての図はドローイングの明暗について考えるポイントとしてよかった箇所です。


美術作家でもある作者は普遍性と固有性のバランスが取れているものに名作が多いと言っております。


そしてアーティストの率直な反応こそがもっとも大切なことである。
その上で形式や技法によって独創性を引き立てるというように、
再度捉え直してはどうかと指摘しています。