遺伝子組換え食品を考える

本作品はモンサント社に関する過去の環境汚染問題と現在開発と販売が進行している遺伝子組換え作物の拡大戦略が語られている。
同時に世界規模で栽培されている遺伝子組換え作物と除草剤の功罪が示されている。
生物学的同意性という概念で従来の作物と変わらないから安全とされるGMOは、
実は十分な安全性試験がなされていない点は驚きである。
ノーベル賞の候補にも上がる「遺伝子組換え技術」は実験室内では有効な研究手段であるが、
その組換え体を挿入された生物及び食した実験動物はそれを異物と認識していると語る科学者の言葉（字幕には出てこない）に遺伝子組換え技術自体がまだ不完全であることが示唆されている。
技術の特許を守るために開発と栽培が強引に進められ、
地球上から作物の原種が失われるかもしれない企業戦略は人間の欲望が集団になると暴走することを伝えている。
この映画が立ち止まるための警鐘となるかわからないが、
製作されたことがせめてもの救いである。