初心者向けの「レシピ」

以前まではPythonのレファレンスやクックブックには大抵目を通すことにしていたが、
ここ1,2年はその練磨も手薄になっていた為、
知識をリフレッシュする意味で購入した。


端的に言うと、
本書は「レシピ」というにはコード量が少なく、
初歩的で限られたユースケースしかカバーされていない印象を受けた。
紹介されているライブラリ（モジュール）は私にとっては既知のものが殆どで -- いや、
だからこそ「厳選」なのかもしれないが -- 個人的に有用な情報を得ることが出来なったのは残念であった。
基礎的なライブラリ・使用のみに限らず、
カバレッジをもう少々高めてみても良かったのではなかろうかと思う。
一方、
Python初心者が読めば、
主なライブラリの標準的使用法がわかるという意味で、
十分有用かと思われる。


他、
気になった点・改善点は以下の通りである：

・ 現場では未だ Python 2.X ユーザーの方が多いにも関わらず、
Python 3.4 (以降)が想定されている
・ 紹介されているモジュールがどのバージョンで導入されたかが明記されていない
・ サンプルコードが的外れである場合がある。
例えば、
unicodedata.normalize 最初[NFC形式への正規化]の使用例 (pp. 17) は意味を成さない。
代わりに U+304bU+3099 等の文字列を渡し、
その効果を顕示するすべきであろう。

・ 対象モジュールが標準ライブラリに含まれるか否かが一目で確認できない。
又、
同様モジュールとの比較、
利点などの記述が皆無である

以上の理由より、
星2つが妥当であるように感じたが、
次回（又は第二版）に期待を込めて、
星3つとさせて頂きたい。