自分の考え方を持つ

「池上彰　特別授業　君たちはどう生きるか」（ＮＨＫ出版）

「１００分de名著」の別冊の内の一冊です。

「君たちはどう生きるか」は、
吉野源三郎の著作で、
戦争が激しくなろうと言う時期に書かれたもので、
作者自身がその後治安維持法で逮捕されていることを考えれば、
当局に非常に気を使って書かれた著書であることが想像されます。

そうしたことを考えると、
現代の中学生にこの本を理解してもらうことは、
非常に大変な作業だと思うのですが、
池上氏は見事にその作業を熟しています。

章立ては、
「格差」の問題、
「過ち」をどう生かすか、
「歴史」にどう学ぶか、
「本を読む」ということはどういうことか、
大まかに言えば、
こんなところでしょうか？
スマホ全盛の時代で、
「知識」は簡単にいくらでも得られる時代です。

でも、
そこから「自分で考える」ことが大切だと説いています。

又、
私自身は他の言い方で学んだのですが、
「T型人間」と言う言葉が登場します。

ある分野を極めるためには、
広い知識と視野が必要だと言うことです。

全く関係ないことと思われることが、
ちょっとしたヒントになったり重要なきっかけになったりすると言うことです。

最後に、
この授業を受けた中学生たちの感想が載っていますが、
非常に前向きで素晴らしい意見だと思います。

将来に向けて、
まだまだ日本は捨てたものではない、
そんな感想を持ちました。