軍帽を脱ぐ谷垣が表紙のゴールデンカムイ第５巻！

あいかわらずゴールデンカムイは緊張感が凄い。

歪んだ欲望に取りつかれ突如豹変する連続殺人鬼、

致命傷を負わされながらも即座に反撃にうってでる一兵卒、

三百メートル以内なら確実に頭を撃ち抜くと豪語する狙撃手、

足音を全く立てずに近づいて突然攻撃してくるヒグマなど
一瞬の油断が即座に命取りになる相手と
騙しあい、
腹を探りあい、
殺しあうんだから、

何気なくめくった次のページで繰り広げられる
急転直下の展開に驚かされることもしばしば。


しかし全体を通してみると、
凄惨さどころか
むしろユーモラスさを感じてしまうのは、

豊かな北海道の素材を生かしたグルメ描写もさることながら、

連続殺人鬼ですらどこか憎めないといった
愛嬌のあるキャラクター達の多面性に寄る所も大きい。


この緊張と緩和のバランス感覚は野田サトル作品ならではの魅力だ。


個人的に敬愛する新潮社出版部部長の中瀬ゆかり氏も絶賛し、

「このマンガがすごい！2016」オトコ編、
「コミックナタリー大賞2015」
「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め！」で
それぞれ2位を獲得し、
ますます勢いにのるゴールデンカムイ、

もし未読の方がいたら５巻までまとめて読んでも損はしないでしょう。