あかやあかしやあやかしの

基本設定が分からない内は「不思議な雰囲気」で終わらされるのに、

基本設定を知って行くと、
意外と、
単純な物語。
しかしそこに単純では決してすまない、

「好きだから食べたい」というあやかしの性、

「好きだから共にありたい」というにんげんの性、

結局「好きだから、
一緒にいたい」という寂しさを埋めたい気持ちをしっかり描いた
『あかやあかしやあやかしのの漫画』でした。


魅力のあった脇キャラに物足りない面はあったものの、
最後まで丁寧な心理描写で
主要キャラクター達に生き生きとした表情をさせており、
それでいてストーリーは
様々なルートを辿りながら『漫画ならでは』の結末を迎えます。

と書かれてあるけれども、
やっぱりゲームのエンディングを感じさせる部分も多くあり。

当初よりあきよしルートの雰囲気が強いなと個人的に思っていたのですが、

エンディングもやっぱりあきよし寄りだと思います。

寄りなだけで様々なことが違うのですが、
ハッカワークスさんがプロットに関わっているだけあって
それがゲームのエンディングを損なわない結末になっていました。

またつばきルート、
黒狐ルートが途中で入ったからこそ由の最終的な立場が
グッと重くなる構造になっていたのは感服。
「こうなってよかった」と心底思える素敵な最終話でした。


ストーリーを綺麗にまとめてゲームという媒体が故の分かりづらさを解消し、

しかしこの「ならでは」の結末で終わらせたことで『補完･まとめ』と『ゲームへの導入』
どちらの役割も果たしたコミカライズになったと思います。

全体的に見て文句無しの☆5！　素敵なコミカライズをありがとうございました。