傭兵道とは何なのかを教えてくれる

1巻から買っている者ですが、
この2巻でも実に興味深い
“傭兵”とは何なのかを教えてくれる作品だと思いました。


2巻ではイングランド軍の騎士と対峙する主人公ホークウッド
ですが、
騎士が「騎士道には寛容の精神というものがある」と
語ると、
「話を聞くのにいちいち理屈がいるとは面倒だな」と
日本の武士道や騎士道が道徳や行動規範を重んじるのに対して、

傭兵はあくまで現実主義とプラグマティズムを信念としている
のが非常に面白いです。
また、
この後で食料を奪いに村に襲いに
行きたいとホークウッドがイングランドの騎士に言うと、
他人事
みたいに「面白い、
勝手にしろ」と言います。
そこでホークウッドは
「じゃあ金をくれ。
何故なら俺たちが敵国の村を襲うのはイングランドの
戦略として一理あるだろ？」と自分達の利益と雇い主の思惑を天秤にかけて
交渉してきます。
ホークウッドはただで食料とお金が手に入り、
雇い主である
イングランド軍はフランスの国王を戦場におびき出せるという条件が手に入る。


どう見ても、
すぐに利益を出せるホークウッドの方が得です。

ホークウッドの口車に乗ってお金を出したイングランド軍は
敵であるフランスの国王が戦場に来る保証がないのですから。


混沌とした中世ヨーロッパで、
いかに相手に取り入り、
自らの
地位と利益を勝ち取るのかを教えてくれる、
そんな作品でした。