サラサラ読めるけど、たべものどうなった。

わたしは、
食いしん坊なので、
「ランチのアッコちゃん」「スープ屋しずく」「和菓子栗丸堂」「和菓子のアン」とか、
大好きです。
本書は、
ずばり、
表紙カバーイラストと、
タイトルで買いました。
だって、
湯気がモクモクした肉じゃがのイラストとか、
わたしのハートをわしづかみだし、
タイトルの「ゆきうさぎのお品書き」ときたら、
ぜったい美味しいたべものの話がてんこもりで、
笑いや涙や恋がごった煮になった、
ちょっぴり濃いめの味付けの美味しい本だと期待して購入。
ところが。
内容は、
わりとさらりとした連作。
こころに悲しみをかかえた主人公が、
小料理屋でバイトしながら立ち直るはなし。
しかーし、
かんじんのたべものの描写は、
しごくあっさり。
主人公が味わうようすとか、
もっと、
おいしそうに書き込んで欲しい。
カッコいい店長さんも、
特段トラウマとか暗い過去とかもってるわけでなし、
すごく奥行きがあるものがたりとまでは言えない。
いつのまにか、
ほかのお店のスイーツの話が妙にふくらんだりする。
おいおい、
プリンの話はいいから、
和食の食材の特徴とか、
仕込みのコツとか、
たべものがのどをとおるときのしあわせな描写とか、
もっとやってよ！ちょっと時間をもてあましたときに、
あまり感情移入せずに気楽にスイスイ読むのにむいてる本かな。
わたしが期待した（させられた？）方向とはちがったみたいで、
タイトル、
イラストに、
やや肩すかしの期待はずれあり。
すこし減点。