オジサンの、オジサンによる、オジサンのための、ロードバイク入門！

　アラフィフ著者による、
ロードバイク「脱初心者」講座。
薄手の新書で行間も広く、
気軽に読める1冊。


　全9章構成。
ロードバイクの魅力、
基礎知識、
買い方・選び方、
必須メンテナンス、
ライディングフォーム、
100kmロングライドに挑戦…、
といった内容。
各章20頁弱、
網羅的な内容ではなく、
オジサンにアリガチなウンチク語りも控えめ（笑）。
文章は口語体で、
数時間で読めてしまう。


　著者によれば、
せっかく買ったロードバイクに1年で乗らなくなってしまう人は多いのだとか。
未経験者はもちろん、
「買ったは良いが、
思っていたホド楽しくない…」という経験者にも良いだろう。
ハッキリ言って大したことは何も書かれていないので、
他の入門書を読んだことのある人にとって新たに学ぶ事柄は多くはないと思うが、
スポーツ自転車専門店に勤めるオジサン著者ならではのオジサン読者に対するアドバイスには思わず聞き入れてしまう説得力がある。


　ただ、
対象読者が「アラフォー」であるため、
ある程度の経済力を想定していること、
「体力勝負のレース志向」とは正反対の「ロングライド志向」であること、
等、
若い読者のテイストには合わないかもしれない。
また、
何故かオバサン読者は念頭に置かれていない（笑）。


　1点だけ「あれ？」と思ったのは、
ぺダリングの基本についてまとまった記述がないこと。
おそらく初期の原稿にはあったのではないかと思うのだが、
編集過程で省かれてしまったのか…。
ペダルをガンガン踏み込むのではなく、
クルクル回すように滑らかに漕ぐことこそ、
ロードバイク初心者が最初に身につけるべき必修課題だと思うので、
ぺダリングの節が省かれたまま（？）であることをやや残念に思う。


　全体として「初心者以上マニア未満の＜マル秘＞自転車講座」というホドのものではなく、
まさに「初心者向けロードバイク入門」。
しかし、
これはこれで楽しく読んだ。
オジサンなので！