読み応え大アリの分厚い一冊

スピッツのライブに足を運んだ、
もしくは映像を観たことがあるファンにはすっかりお馴染みのスーパーキーボーディストであるクージー。
ちょっとしたバイオグラフィー（ここからして面白い）ではエレクトーンを始めてからどのようにしてプロになりスピッツと活動を共にするようになったかが軽快かつ爽やかな文体と明るい文調で読む者の心をまず掴んでいる。
スピッツ道中日記はツアーやフェスでスピッツに同行した記録のうち興味深い日が時系列順にいくつかピックアップされており、
多少手直しはあった（かもしれない）にせよ当時の日記そのままといった感じが受け取れるのでこちらも一緒に参加しているような楽しみ方すらできる。
結成30周年にもなるすっかり大御所と化したスピッツの全活動期においてその半分を優に超える期間をサポートしてきたクージーが赤裸々というほど大げさではないけれど前向きで快活な彼女らしさが伺い知れる内容だ。
クージーのファンだからスピッツのライブに行く、
という人は多くはないだろうが、
スピッツファンだからこそクージーが大好きだというファンは山ほどいるだろう。
フロントに立つわけではないけれど今となってはスピッツのアルバムにもライブにもなくてはならない重要な存在となった久慈さんの魅力を堪能できる一冊として超オススメです。