100年にわたる東国武将たちのダイナミックな活躍をまとめた本

1476年の長尾景春の乱から、
1590年の小田原の役に至るまでの東国の戦国史を、

10のエピソードにまとめた本。
具体的な章立ては下記の通り。


1.長尾景春と太田道灌　2.伊勢宗瑞と北条氏綱　3.武田信虎の甲斐統一戦
4.長尾為景の下剋上　　5.川越夜戦　　　　　　6.山本菅助の虚実
7.越山　　　　　　　　8.永禄十二年の武田軍関東侵攻
9.武田勝頼の苦闘　　　10.小田原の役

これまでの氏の著作と異なり、
城郭論や軍事論を大上段に示す構成ではなく、

軍事的な観点からの分析・観察を含んだ軍記物語、
とでもいうような内容となっている。

その点では、
黒田基樹氏の名著「戦国関東の覇権戦争」とクロスオーバーする面白さもある。

個人的には、
長尾景春・太田道灌・北条氏綱・武田信虎・長尾為景らに言及した本が少ないこともあり、

彼らのエピソードは特に興味をもって読み進められた。

なお、
本書は書き下ろしではなく、
歴史群像に不定期に掲載された記事をまとめた本であるので、

同雑誌を愛読されている方は重複に注意されたい。