身障・精神といった分野を超えて臨床で役立つ本だと思います

精神疾患を持ち、
身体機能の低下も著しい。
超長期の入院生活で高齢者となり、
自分の希望を話すこともないクライエントに関わっています。

この本を読んで、
クライエントのこれまでの人生や行ってきた作業、
役割や生きがいを語ってもらうことの大切さを強く感じました。
本には、
クライエントにインタビューするとき、
どこに焦点を当てていくかも詳しく書かれています。
それらを参考にしてクライエントに関わっていくと、
それまで聞かれなかった作業歴を語るようになり、
昔好きだったことにもう一度挑戦してみたいという希望が出るようになりました。
本書の言葉を借りれば「自分らしさの感覚を取り戻す」ことが出来たのではないでしょうか。

喪失の時期と呼ばれる高齢期、
さらに精神科長期入院中という制限があっても、
その人にとって大切な作業を実現することはできる。
この本にはそのための情報収集や実践法が、
具体的な事例を通して分かりやすく書かれています。
序論に「本書を読んで実際に真似ができるよう…」とありますが、
まさにそのような内容です。
今後もクライエントへの関わり方に生かしていきたいと思います。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。