一見映像は美しく迫力があるが…

生き物の映像は、
非常に美しくどうやって撮影したのかと思うほど迫力シーンが随所に出てくる。
アフリカやアメリカ大陸ではなくヨーロッパの自然も新鮮。
しかし後半に向かって、
強引なストーリーと演出が鼻につき、
押し付けがましい自然保護思想の啓蒙が全てをぶち壊している。
とどめはエンディングの「本作では動物を一切傷つけてていません」的な注意書き。
つまりドキュメンタリーではないのです。
観るに従って史上最悪のドキュメンタリー”風”映画「オーシャンズ」を思い出して極めて不愉快…と思ったら何とジャック・ベラン＆ジャック・クルーゾコンビだ！ありもしないことをロボットを使って現実として見せた「オーシャンズ」と同じ監督となると、
迫力の動物の疾走も、
捕食シーンも、
格闘すらそうなるように仕向けたのではないかと思えてくる。
いや、
考えてみれば動物があまりにもカメラに近く、
都合よく動いているのがどう考えてもおかしい。
劇場公開映画である以上、
一定の切り口は必要だと思うが、
ドキュメンタリーをうたうなら演出や余計な解釈、
ましてや強引なストーリーで薄っぺらい感動を誘うようなことはすべきではない。