社会保障のバイブルたりえる名著

仕事で日本の社会保障を理解する必要に迫られ、
何冊か関係図書を読んでみた。

この中で、
たとえば『はじめての社会保障 第14版 』(有斐閣アルマ)は、
平易かつ具体的な表現が多く、
とても分かりやすかった。
さすが長年読み継がれてきただけのことはある。

しかし、
本書『教養としての社会保障』は別格であり、
他に比肩しうるものがない。

その内容は、
きわめて明瞭明快に社会保障を立体的(多面的)に説明しながら、
関連するテーマやトピックをもれなくカバーしている。

というよりも、
類書に同じことが書いてあっても、
本書は短いセンテンスで歯切れのよい文章のため、
頭にスッと入ってくる。
同じ意味を持つ内容でも、
文章と全体構成により、
その分かりやすさがまったく異なるという良い例である。

本書は、
そのあまりの分かりやすさに、
驚嘆の連続であった。
読むのが止められなくなり、
一気に読んでしまった。
まさか「社会保障」という内容を、
嬉々と興奮しながら読むことになろうとは想像だにしなかった。

「社会保障とは何か？」のすべての回答がここにある。
無知だった自分がよく分かる。
社会保障の見方がプラスに変容する。

本文中、
著者も示唆しているが、
この本の内容は子供たちにこそ教えるべき内容であろう。
私たちはおそらく、
子供たちに社会保障とは何かを、
十分に教えることはできていない。
この本を読むと、
それがよく分かる。

社会保障のバイブルたりえる名著である。