米国BL探求中…この表紙でここまでの佳作は期待してませんでした。

…米国BL業界はホンマ表紙をどうにかして下さい。
比較的センスの良い表紙の中身が眩暈のするようなシロート作品だったり、
ネットでテキトーに見つけた男の裸体写真をぶっちゃけたよな表紙の下にマトモな小説が隠れてたり、
宝探しみたいで面白い…とか笑えないものがある。
いや、
この表紙のオニーサンは素敵や思うが、
ストーリーの雰囲気を全く伝えていないじゃないですか。

と言う訳で、
本書シリーズ（三部作だ）、
2015年の米国BL業界の優秀作品リストに載っていたので購入したのだが、
格闘技萌えじゃないもので今の今まで放っておいてしまった。
いやいや、
これは確かに優秀作だ。
まず良い意味でオーソドックスにストーリーが展開する。
奇天烈なキャラを出してキンドル10％～20％地点で濡れ場に入るとか馬鹿な真似はしない。
仕込みが念入りで辛抱強くジワジワと行く。
きちんとキャラを作り、
押し付けることなくキャラの魅力を読者に伝え、
ジワジワと二人の人間のエロスを作っていく。
七割までラブシーンらしきものがないだのが、
十分にセクシーを演出し、
バージン相手に一回目からア〇ルをイタスとか漫画なコトもせず、
八割後半までエロスの爆発をホールドし、
ついに爆発させる。
上手いねえ。
後半の試合まで大きなストーリー展開もないのに300頁超を全く退屈させずに読ませる著者の力量が素晴らしい。
内容は格闘家のマイケル・ケイジとスポーツジャーナリス志望の学生ジェイミー君のちょっとした「狂気の恋」なんだが、
冒頭の「フツーの学生」のジェイミー君から狂気に至るまでを300頁でちゃんと読者に納得させてしまったのだった。
お見事。