高い「志」に感謝

表紙に写った有終の姿に、
なにか込み上げるものを感じて即座に取り寄せた。


寡黙なイメージの前田選手は、
その仕草、
表情、
間合いに絶対的な説得力があった。
究極の打者を思わせてくれた。

この本からも独特のオーラがひしひしと伝わってくる。
私はウーンと唸るしかない。


だれの文章からも前田選手らしさが感じられ、
しんみりして寂しいような気もするし、
なぜか潔くて清々しい気もする。

彼を語る人物の姿勢までも正してしまう凄みが前田選手にあるからだろう。
元スカウトの村上氏の言う通り、
二度と出ない選手だと思う。


私にとって最も心に残る一文は、
引退会見の「大した結果は残っていないんですけど、
志は高かったんです」だった。

まさに「志」を感じさせる意気な言葉だ。
我々からすればもちろん大した結果なのに、
最後もまた格別の雰囲気である。


長年に渡ってファンにこれだけ大きな感慨を授けてくれた訳だから、
今はありがとうと言うしかない。
引退試合の「謝」の一文字に尽きる。


(最後に)　カープファンの一人として長い間お世話になりました。
本当にありがとうございました。