空恐ろしい日本の未来

　番組は見なかったが無縁社会 (文春文庫)にショックを受けたので読んでみた。
自分の周囲の老人たちは割合に元気なお年寄りが多く、
けっこう第二の人生を謳歌していると思い込んでたが、
中にはこのような方々もいるのだ。

　
　豊かとは言えないまでも普通の生活をしていた方が、
連れ合いをなくしたり病気になった途端に急速に転落し、
最後は終の棲家もなく短期宿泊施設や精神病院を転々とする人、
病気になって老人ホームを追い出される人、
22年間年金を収めてきたが、
3年分足りず生活保護を受けるハメになる人。
お金がなくて病院に行かず、
悪化して亡くなる人。
「がまんする」責任感が強く真面目な人ほどつらい目に合う。

　
　世界に先駆けて超高齢社会に突入した世界3位の経済大国のお寒い現実がここにある(実は老人の貧困率は先進国中でもかなり高い)。
最終章に顕著なように、
福祉事業に従事する個人の負担に頼るばかりで、
制度としてはまったく追いついていないのだ。
税金は重いが幸福度の高い北欧諸国が羨ましくもある。